部分床義歯
(ぶぶんしょうぎし)
部分床義歯とは義歯のひとつで、部分的な歯の欠損に対して装着される義歯のことである。これに対し、すべての歯を失った際に装着される全部床義歯とよぶ。部分床義歯は1本の欠損から、13本の欠損(上下顎それぞれ14本ずつの永久歯が存在すると想定することが一般的である。)まで、様々な欠損様式に対応するため、義歯の形態も多岐にわたる。
部分床義歯の特徴として、残存した歯に維持を求めるためのクラスプが組み込まれていることである。クラスプの形態も様々あるため、上記の欠損様式との組み合わせでは膨大な数になる。
義歯の設計は、欠損の状態や、クラスプの種類や設置する位置、残存歯の状態(歯周病の有無など)、歯科医師の方針なども加わり決定される。
健康保険適用の義歯では、使用できる材料が決められている。従って、クラスプの形態や義歯床の形態も制限される。自費診療ではそのような制限がないため、より多くの選択肢から義歯の設計を決定できる。場合によっては、クラスプの代わりにアタッチメントなどを用い、審美性にも配慮した設計も可能である。