治療回数

(ちりょうかいすう)

歯科において、治療回数は、他の医療と同様に、治療の必要性と治療方法によって決定される。「何度も通わされる」といった意見も聞かれるが、治療を複数回に分ける理由としては以下のような点が上げられる。

  • 根管治療などを行った場合は、その後の痛みの有無、レントゲン等の検査結果などで治療方法が変わるため、一定期間の後に予後を確認する必要がある。
  • 歯を1本または数本ずつ治療することで、痛みの原因を明確にし、病態を正確に把握できる。
  • 義歯クラウンなどの製作のための技工操作は完全にオーダーメードの作業であるので、治療の回数とともに、治療ごとの期間も一定の間隔を開ける必要がある。
  • 1回に治療する部位を少なくすることで、咬合関係(上下のかみ合わせの位置関係)を維持することができる。
  • 歯周病の治療は予防も含めて定期的に行う必要がある。


上記以外にも齲蝕欠損、歯周病が進行している場合は、治療時間が現実的ではなくなってしまうため、緊急性を要する部位や、咬合関係を維持する部位から治療を行う。

「忙しいからいっぺんにやってくれ」という要求は、治療ごとの確認ができなくなったり、治療方法が限られるので、治療の予後は悪くなることはあっても良くなることはない。
長い目で見ると、治療回数・治療期間・治療費ともにメリットはない。