アンダーカット
(あんだーかっと)
歯科におけるアンダーカットとは、義歯やクラウン、インレーなどを設計、製作する際に、対象となる部位の形態を表す言葉である。義歯や、クラウン、インレーの支台となる歯における陥凹(へこみ)をアンダーカットという。
歯の特定の部位を指す言葉ではなく、一定の方向から歯(や顎堤、支台歯など)を見た場合、最も膨らんだ部位に隠れた部分を指す。
義歯においては、クラスプのかかる鉤歯に適度なアンダーカットが必要とされる。一方、クラウンやインレーにおいて、アンダーカットは不適合の原因となるため、支台歯形成の際にはアンダーカットを残さないように歯を削ったり、セメントやコンポジットレジンで形態修正を行う。
石膏やレジンなど硬化する素材を、既に硬化した素材に機械的に嵌合させるため、その一部を意図的に削ることを、「アンダーカットを付ける」ということもある。
装置や器具、治療において、アンダーカットが必要な場合がある一方、アンダーカットが妨げになる場合もあるため、アンダーカットという言葉がどのような場面で使われているのかを考える必要がある。